スペシャルティコーヒーとは
スペシャルティコーヒーは、生産から抽出まで一貫した品質管理のもとで作られる、高品質なコーヒーです。
定義と基準
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)では、以下のように定義されています:
「消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること」
品質評価の基準
カッピング評価
専門家による評価項目:
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Clean Cup(クリーンカップ)
- 雑味がなく、クリアな味わい
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Sweetness(甘さ)
- 自然な甘みの質と強さ
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Acidity(酸味)
- 心地よい明るい酸味
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Mouthfeel(口当たり)
- 質感、粘性、重量感
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Flavor(風味)
- 特徴的な味わいと香り
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Aftertaste(後味)
- 飲み込んだ後の余韻
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Balance(バランス)
- 全体の調和
-
Overall(総合評価)
- カッパーの全体的な印象
スコアリング
- 80点以上: スペシャルティコーヒー
- 85点以上: 優れたスペシャルティコーヒー
- 90点以上: 卓越したスペシャルティコーヒー
生産地と特徴
ラテンアメリカ
コロンビア
- バランスの良い酸味
- チョコレートのような甘み
- 中程度のボディ
ブラジル
- ナッツやチョコレートの風味
- 低い酸味
- しっかりとしたボディ
コスタリカ
- 明るい酸味
- フルーティーな風味
- クリーンな味わい
アフリカ
エチオピア
- 華やかな香り
- ベリー系の風味
- 明るい酸味
ケニア
- 力強い酸味
- ジューシーな味わい
- ワインのような複雑さ
アジア・太平洋
インドネシア
- 重厚なボディ
- アーシーな風味
- 低い酸味
パプアニューギニア
- バランスの良い味わい
- 穏やかな酸味
- 甘い余韻
選び方のポイント
1. 情報の確認
良質なコーヒー豆には、以下の情報が明記されています:
- 生産国・地域
- 農園名
- 品種
- 精製方法
- 焙煎日
2. 焙煎度の理解
浅煎り(ライトロースト)
- 酸味が強い
- 豆の個性が際立つ
- フルーティーな風味
中煎り(ミディアムロースト)
- バランスが良い
- 甘みと酸味の調和
- 万能な焙煎度
深煎り(ダークロースト)
- 苦味が強い
- ボディが重い
- ロースト香が強い
3. 鮮度の確認
- 焙煎日から2週間以内が理想
- 豆の状態で購入
- 適切な保存(密閉容器、冷暗所)
抽出方法と相性
ドリップ
- 浅煎り〜中煎り
- クリアな味わいを楽しめる
- 豆の特徴を引き出しやすい
エスプレッソ
- 中煎り〜深煎り
- 濃厚な味わい
- ミルクとの相性が良い
フレンチプレス
- 中煎り
- オイル分も抽出
- ボディ感のある味わい
保存方法
基本原則
- 空気: 酸化を防ぐため密閉
- 光: 直射日光を避ける
- 温度: 常温保存が基本
- 湿度: 乾燥した場所で保管
注意点
- 冷蔵庫保存は結露のリスクあり
- 開封後は早めに消費
- 豆の状態で保存が理想
まとめ
スペシャルティコーヒーは、生産者の努力と技術が詰まった特別なコーヒーです。適切な選び方と保存方法を理解することで、その価値を最大限に楽しむことができます。
無迹探索のLABでは、厳選したスペシャルティコーヒーを取り揃えています。ぜひお試しください。
参考文献
- 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)
- Specialty Coffee Association(SCA)
- 『コーヒーの科学』 旦部幸博著
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