コーヒー事業

スペシャルティコーヒー入門:品質の見極め方

スペシャルティコーヒーとは何か、その品質基準や選び方について、専門家の視点から解説します。

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6分

スペシャルティコーヒーとは

スペシャルティコーヒーは、生産から抽出まで一貫した品質管理のもとで作られる、高品質なコーヒーです。

定義と基準

日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)では、以下のように定義されています:

「消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること」

品質評価の基準

カッピング評価

専門家による評価項目:

  1. Clean Cup(クリーンカップ)

    • 雑味がなく、クリアな味わい
  2. Sweetness(甘さ)

    • 自然な甘みの質と強さ
  3. Acidity(酸味)

    • 心地よい明るい酸味
  4. Mouthfeel(口当たり)

    • 質感、粘性、重量感
  5. Flavor(風味)

    • 特徴的な味わいと香り
  6. Aftertaste(後味)

    • 飲み込んだ後の余韻
  7. Balance(バランス)

    • 全体の調和
  8. Overall(総合評価)

    • カッパーの全体的な印象

スコアリング

  • 80点以上: スペシャルティコーヒー
  • 85点以上: 優れたスペシャルティコーヒー
  • 90点以上: 卓越したスペシャルティコーヒー

生産地と特徴

ラテンアメリカ

コロンビア

  • バランスの良い酸味
  • チョコレートのような甘み
  • 中程度のボディ

ブラジル

  • ナッツやチョコレートの風味
  • 低い酸味
  • しっかりとしたボディ

コスタリカ

  • 明るい酸味
  • フルーティーな風味
  • クリーンな味わい

アフリカ

エチオピア

  • 華やかな香り
  • ベリー系の風味
  • 明るい酸味

ケニア

  • 力強い酸味
  • ジューシーな味わい
  • ワインのような複雑さ

アジア・太平洋

インドネシア

  • 重厚なボディ
  • アーシーな風味
  • 低い酸味

パプアニューギニア

  • バランスの良い味わい
  • 穏やかな酸味
  • 甘い余韻

選び方のポイント

1. 情報の確認

良質なコーヒー豆には、以下の情報が明記されています:

  • 生産国・地域
  • 農園名
  • 品種
  • 精製方法
  • 焙煎日

2. 焙煎度の理解

浅煎り(ライトロースト)

  • 酸味が強い
  • 豆の個性が際立つ
  • フルーティーな風味

中煎り(ミディアムロースト)

  • バランスが良い
  • 甘みと酸味の調和
  • 万能な焙煎度

深煎り(ダークロースト)

  • 苦味が強い
  • ボディが重い
  • ロースト香が強い

3. 鮮度の確認

  • 焙煎日から2週間以内が理想
  • 豆の状態で購入
  • 適切な保存(密閉容器、冷暗所)

抽出方法と相性

ドリップ

  • 浅煎り〜中煎り
  • クリアな味わいを楽しめる
  • 豆の特徴を引き出しやすい

エスプレッソ

  • 中煎り〜深煎り
  • 濃厚な味わい
  • ミルクとの相性が良い

フレンチプレス

  • 中煎り
  • オイル分も抽出
  • ボディ感のある味わい

保存方法

基本原則

  1. 空気: 酸化を防ぐため密閉
  2. : 直射日光を避ける
  3. 温度: 常温保存が基本
  4. 湿度: 乾燥した場所で保管

注意点

  • 冷蔵庫保存は結露のリスクあり
  • 開封後は早めに消費
  • 豆の状態で保存が理想

まとめ

スペシャルティコーヒーは、生産者の努力と技術が詰まった特別なコーヒーです。適切な選び方と保存方法を理解することで、その価値を最大限に楽しむことができます。

無迹探索のLABでは、厳選したスペシャルティコーヒーを取り揃えています。ぜひお試しください。


参考文献

  • 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)
  • Specialty Coffee Association(SCA)
  • 『コーヒーの科学』 旦部幸博著

関連リンク

#スペシャルティコーヒー#コーヒー豆#品質管理